LED点灯回路の設計
●LEDについて知る
LEDを点灯させるにおいて、まずどのようなLEDを選定すれば
いいか迷うところです。何色がいいのか?明るさは?何個点灯
させるか?様々な条件があると思います。
では、LEDを選定するにあたり、表記に何が書いてあるのかを
見てみましょう。
表記例)
Color :このLEDの色の表記。青色。
IV :明るさの表記、ミリカンデラ。この数値が大きいほど明るい。
ちなみに5000mcdは5cd(カンデラ)とも表記されます。
IF :電流値。この値の電流で使ってくださいということ。
(MAX)と書いてあるのは最大値で、この数値の電流まで流すと
明るいですが、寿命が短くなったり、すぐ破損したりします。
VF :定格電圧。このLEDを点灯させるのに使う電圧です。
以上の事から読み取れることは、3.4Vの電圧をかけ、20mAの電流を
流すと5000mcdの明るさで光る青色のLEDということですね。
●LEDの点灯回路の作成
例として先ほどの青色LEDを3つ点灯させる回路を作ってみましょう。
そのまま車の電源に繋ぐと・・・一瞬で焼け焦げます(^^;)
では抵抗を使い、電流を制限して点灯する回路をつくります。
何Ωの抵抗を使えばいいか?ですが、電圧をどのように分け合うのか、
図で見てみましょう。(直列回路と並列回路→直列回路の電圧を参照)
車のバッテリーは12V(国産乗用車)といわれますが、実際にかかる
電圧は、充電電圧の14.4Vくらいまでかかることがあるので、車の
電源電圧は14.4Vで計算します。
各LEDに必要な電圧は3.4V。それが3つで10.2Vになります。
そうすると、直列回路では電圧を分け合うので、
14.4V − 10.2V = 4.2V
抵抗にかかる電圧が4.2Vだということがわかります。
流したい電流は20mA。
ここで抵抗値を求める式、抵抗=電圧÷電流を使います。
ちなみに20mAはAに単位を直して0.02Aで計算します。
抵抗にかかる電圧(V)÷流したい電流値(A)=抵抗値(Ω)
に数字を入れると、
4.2V÷0.02A=210Ωになり、
210Ωの抵抗を入れれば20mAの電流を流す事ができます。
抵抗は+極側に繋ぐのが一般的ですが、−側でも問題無い様です。
LEDの極性も気をつけて出来上がる回路は下図のとおり。
でもまだまだ終わりじゃない。抵抗にも様々な消費電力の物があります。
どれを使えばいいかは次の式で求めます。
電流×電圧=消費電力
今回求める方式でいうと
流す電流(A)×抵抗にかかる電圧(V)=消費電力(W)
これに数字を入れて、
0.02A×4.2V=0.084W
になるわけで、
1/6W抵抗(0.166・・・W)や
1/4W抵抗(0.25W)を使えばOKって事です。
でも、210Ωの抵抗は売ってないと思うので、1つ上の抵抗値の
220Ωを使いましょうね。
ここで注意。もしもLEDが1個だと・・・。
11V÷0.02A=550Ωになりますが、
消費電力を計算すると・・・
0.02A×11V=0.22W
になり、
1/6W抵抗(0.166・・・W)は許容を超えるので使用不可
1/4W抵抗(0.25W)…もギリギリで発熱しそうなので却下。
1/2W抵抗(0.5W)を使えばいいでしょう。
●CRDの使い方
CRDは電源電圧の変動に関わらず一定の電流が流せる便利なパーツ。
例として、先程と同じ青色LEDを3個点灯させる回路を作ってみましょう。
よく使われるCRDは10mA流せるものと15mA流せる物があります。
それぞれの流したい電流に合わせて組み合わせる事で、様々な電流が流せます。
組み合わせ方は下の図で見てみましょう。
これを抵抗の代わりに+側に繋いで点灯回路が作れます。
20mAを流すなら、
のように点灯回路が作成できます。
●たくさん点灯する方法は?
ではここで、たくさん点灯させる回路の作り方について考えます。
4個点灯する場合、先程までの考え方ですと、
原理はこうなりますが、車の電源電圧は常に変動しています。
発進加速時やエアコン使用時などは、10〜13Vくらいまで
電圧が下がったりします。そうすると点灯しなかったり、暗く
なったり、明るさのバラつきがでたりします。
では、どうすればいいか?ですが、こんな感じにすると・・・
これなら4個点灯できます。
このように、青や白などの3V前後のLEDなら4個以上、
赤や黄などの2V前後のLEDなら6個以上を点灯させる場合は
青や白→3個以下 赤や黄→5個以下に抑えた回路を並列で繋ぎ
点灯させるといいでしょう。
●もっとたくさん点灯する方法は?
僕も、ちょこちょこ光り物をつけはじめると欲が出るもので…。
もっとたくさん点灯する回路の作り方!では、アンダーネオン
のような1列に並べたいときの回路をつくってみます。
使用するのは先程から例に出している青色LEDを使ったとして、
21個を並べた回路を作っていきます。
まずは、3×7で並べて見ると…
これじゃかっこよく1列にLEDを並べられないですよね(^^:)
ここで、格子接続する回路に換えてみます。
実はこれでも同じく点灯します。どちらかといえば
こちらのほうが明るさのばらつきが出にくいらしい。
これを横一列に置き換えると、
・ ・・!? なんで抵抗が30Ωに替わっているかって?
それは直列回路と並列回路の項で説明した"合成抵抗"で計算したからです。
210Ωの抵抗を並列で7個並べた時の合成抵抗は、
合成抵抗 = 1÷{(1÷210Ω)×7列}≒ 30Ω
・・・となるからです。抵抗を7個も1ヵ所に付けたら邪魔だし(笑)
1個で済めばコンパクト。ただし、消費電力の計算は忘れずに!!
20mA × 7列分 = 140mA
0.14A(合成抵抗の電流) × 4.2V(抵抗にかかる電圧) = 0.588W
1/2W抵抗(0.5W)でもオーバーしてしまいますので、
この場合は1W抵抗を使えばOKですね。
メニューへ戻る